本日はチロシンという非必須アミノ酸についてです。こちらもグリシンと同じで直接筋肉をつける効果があるわけではありませんが、間接的に筋トレ効果を高めるアミノ酸です。それについてお話ししたいと思います。
さて、筋力トレーニングを行うときに「パフォーマンス」を考えたことはありますか?私もトレーニングをスタートしたばかりのころはそういったものは一切考えていませんでいた。また、20代半ばあたりまではジムへ行ったときはやる気がないにしてもトレーニングをして体が温めると気合いが入るものでした。
若い頃というのはトレーニングの調子が上がらないというのはなかなか考えられなかったです。しかし、29歳以降になると、「なんか今日は調子でないな。」とベンチプレスをやっているときに感じることがあります。
余裕で持ち上げられるはずの重量を持ち上げてもなんだかすぐに疲れてしまうとか、どうしても気合いが入らずトレーニングに集中できない。そんなときにおすすめのアミノ酸がチロシンです。
チロシンとは一体何か?

チロシンとは人の体内で合成が可能な非必須アミノ酸に分類されます。ちなみに、筋肉を作るうえで重要なバリン、ロイシン、イソロイシンは必須アミノ酸。グルタミンは準必須アミノ酸でになります。
こういったものとは異なり比較的欠乏がしにくいアミノ酸になります。ただ、勘違いしていただきたくないのは、体内合成が可能だからと言って、摂取量を欠乏することはないと判断するのは違います。
確かに、普通に生活を送っているいて、食事もバランスの良い食事がとれていればそこまで深刻にならくて済むでしょう。ただ、ハードなトレーニングを行ったり、栄養バランスが悪い食生活を送っていれば怪しいです。
ハードなトレーニングを行えばそれだけ栄養を消費するので人よりもたくさんの栄養素を摂る必要があるのです。だから、スポーツジムのトレーナーはサプリメントの摂取をめちゃくちゃ推奨してくるのです。
チロシンの効果をまとめてみました。

1.集中力の向上
筋トレするなら「集中力」を一定まで維持し続けることは重要です。例えば、トレーニングをしている最中に集中力が途切れてしまったらパフォーマンスの低下を招いてしまいます。ウエイトトレーニングならせめて、80%の強度×10を3セットはやってほしいものです。
ところが、1セット目の途中で集中力が途切れてしまいその後のトレーニングがいい加減になってしまっては時間の無駄ではないでしょうか。こういった「やる気が出ない」「身が入らない。」「集中力が低下する」
といったことを解消するには、ノルアドレナリン、ドーパミンを分泌させることです。チロシンを摂取すると脳の前駆体を刺激しますからここからノルアドレナリン、ドーパミンが分泌されるということになります。
2.フェニルアラニンの代用
フェニルアラニンもチロシンと同様に、ノルアドレナリン、ドーパミンを作る材料となります。では、フェニルアラニンでもよいではないか?と思われる人もいるでしょうが、フェニルアラニンは必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は体内で合成することができないためできるだけ消費しにくいような体制を整える必要があります。そこで、チロシンを摂取することでフェニルアラニンの消費を抑えるようにすればよいのではないかと思います。
3.ストレスの緩和
私の場合はストレスが溜まっているとそれをトレーニングにぶつけるので逆に身が入ったりするものです。そして、気が付いたころにはストレスは消えている。これというのもトレーニングによりドーパミンやノルアドレナリンが出ているからだと考えています。
しかし、これもバランスが重要で、ノルアドレナリンが過剰に増えると「怒りの感情」を生み出すので逆にストレスになりますし、少なくなると「悲しみの感情」となります。うつ、不安、など、バランスが崩れる時点でストレスとなるのです。
4.白髪予防
ビタミン、ミネラルが欠乏していると白髪になるなどともいわれていますが、それよりも体内でメラニン色素の生成がうまくできなくなることが白髪に繋がるというほうが有力説なのではないだろうかと思います。
ストレス社会にいると色素細胞がうまく機能しなくなるので、頭髪のメラニン色素をしっかりと作ることができなくなります。疲労している、栄養バランスが悪いという人に白髪が生えやすいというのはこういうことなんですね。
チロシンはメラニンを生成するアミノ酸ですから、若いのに白髪が多いとか、年齢で白髪気になり始めたなどという方にはチロシンはおすすめです。
筋トレをするならやはりチロシンは摂取したほうが良い。

以上のことからも筋トレをしているならサプリメントの一つとしてチロシンを摂取したほうが良いのではないかと考えられます。確かに、チロシンを摂取したからといって、ロイシンのように直接それが筋細胞の合成に繋がるわけでもありません。
しかし、集中してトレーニングができない場合、「質の高いトレーニング」を実践することができません。ターゲットとなる筋肉を鍛えてみたけれどもそこまで効いているわけでもなく、全く筋肉痛にならない。
これでは大きな効果も得られにくいかと思いますので集中力を上げるというのはトレーニングにおいてとても重要なポイントなのです。長い時間ジムにいるだけでは意味がありません。30分だでも、40分でも短い時間サクッと集中してトレーニングを行うほうが時間の節約にもなりますし筋肉にも効果が高いです。
チロシンを摂取するうえで注意するべきこと

1.チロシンを摂取するうえでの注意点
チロシンの摂取量は500mg〜3000mgほどが推奨量とされています。人の体質、体重などによっても異なると思いますのでこの摂取量の範囲内で様子を見ながら調整していくことがポイントとなります。
また、高血圧患者、乳幼児の投与はおすすめできません。高血圧患者の場合はノルアドレナリンが過剰に出るリスクがありますので、怒りやすい性格になる可能性があります。
一方、乳幼児の場合に至っては、脳に少なからず影響を与えるため完成していない体の状態でチロシンを摂取することはおすすめできないのです。何かの病気でどうしてもチロシンが必要な場合は一度、医師の相談を仰いでから判断することをおすすめします。
2. 副作用がある
過剰摂取すると吐き気、頭痛、疲労感、胸焼け、関節痛等の症状を訴えるケースがありますので多くても1日3000mgまでにしておきましょう。これでも多いと感じた場合は自分の体質に合った量を摂取します。
3.チロシンの効果的な飲み方
特に、筋トレ時に気合いを入れるとなれば、トレーニングを行う30分ほど前にほかのアミノ酸と一緒に摂取することです。過剰に摂取しなくてもこういう飲み方をするだけでも効果は変わると思われます。食品からですと鰹節100gでようやく2600mgなので大変かと思います。