なかなかデッドリフトをやろうとしない人がいます。普通のスポーツジムや街の体育館でトレーニングをしている人で、ウエイトといえばほとんどがベンチプレスやアームカールとかですね。日本ではマイナーなトレーニングかもしれません。
私も、「ルネサンス」「ティップネス」「コナミスポーツ」「ジェクサー」とジムを転々としていましたが、デッドリフトをやっている人はあまり見たことはありません。だけど、個人的にはベンチプレスよりもデッドリフトをやったほうがいいと思います。
なぜなら、大胸筋はそこまで実用的ではないからです。格闘技や武術ではどちらかといえばガードを強くするために鍛えますね。多少はスポーツでも使いますけれどもそこまで使わないのではないかと。
それよりも、足の筋肉、背中の筋肉は運動において、一番使います。腰を回す、腰を起こす、こういう運動はスポーツや日常において頻繁に行われるのではないでしょうか?その中でも比較的やりやすいスモウデッドリフトという種目について紹介したいと思います。
スモウデッドリフトとは?デッドリフトとどう違う?

デッドリフトの場合はバーベルの前に立ち肩幅程度足を開き、つま先は正面に向けます。ここで、腹圧を使い思いっきり踏ん張ってバーベルをブチ上げる!私も金曜日の夜にフリースウエイトエリアで一人で黙々とデッドリフトをやっています。
金曜日の夜はほとんど人がいないので周りを気にせずやりたい放題。マックス重量にチャレンジしたり、パンプアップ重視で腰をガンガン追い込んだりといろいろです。重量を重たくすると月曜日ぐらいまで筋肉痛が響きますけどね。
その中のバリエーションにスモウデッドリフトとういものがあります。これは何が違うのか?基本となるフォームは同じなのですが、つま先を正面に向けずに「ハ」の字を作り、足幅も肩幅1.5倍と比較的広めにとります。
この形が力士が四股を踏む様にそっくりだからスモウデッドリフトと呼ばれているのですが、個人的に思うのがデッドリフトよりもスモウデッドリフトのほうがバーベルを持ち上げやすい。もちろん、ダンベルも同じことがいえます。
なぜか?
これは、人にもよるとは思いますけれども、やはりある程度足を広めに開いておいたほうが踏ん張りが効かせやすいからだと思います。かかとに重心を置いて立ち上がる力を使えば、比較的重い重量でも上がると思いますよ。
スモウデッドリフトで鍛えられる場所とは?

一般的に、デッドリフトといえば鍛えられる個所は脊柱起立筋や広背筋などですね。もちろん、スモウデッドリフトも背中周辺の筋肉をメインとしますが、複合的に内転筋、大殿筋など。やり方によっては大腿四頭筋を鍛えることができます。
なぜ、このようにほかの部位を強化することができるのか?スモウデッドリフトのように股を開いて内転筋、大殿筋のストレッチを聞かせているトレーニングであれば伸びたときの負荷が非常に強くなるためと考えらえれます。
スモウスクワットは下半身の形がスモウデッドリフトとそっくりです。肩にウエイトを乗せることで下半身に負荷をかけるか?バーベルを持ち持つことで下半身に負荷をかけるかの違いです。なので、しっかりと内転筋も鍛えられるのです。
この種目は男性トレーニーがやっていることが多いのですが、脊柱起立筋、内転筋、大殿筋を鍛えることができるということはスレンダーな下半身を作ることができるということですから、女性がダイエットをするために行うのでも全然おすすめなのです。
実際に、フィジークやベストボディジャパンで活躍する女性トレーニーはスモウデッドリフトは実践していたりします。ですので、デッドリフトはちょっとという人でも、ハーフやスミスマシンを使ったスモウデッドリフトから取り組んでみるのもありですね。
スモウデッドリフトの効果的なやり方とは?
スモウデッドリフトは重たい重量も挙げやすい種目ですので、高強度トレーニングとして取り入れてみるのもおすすめです。では、スモウデッドリフトはどのようにして行うのが効果的なのか?それについてお話しします。
1.スタートポジション
つま先を「ハ」の字にして、バーベルの前に立ちます。足幅の目安は肩幅の1.5倍程度ですが、これも体格や骨格にもよりますので必ずしもこの限りではありません。自分のやりやすいように形を作りましょう。
基本的には普通のデッドリフトと変わりません。下腹部を膨らませて一瞬息を止める腹圧というテクニックを使います。この技術はどちらかといえば上級者よりなので、普段から高重量をこなしている人が重たい重量にチャレンジするときに行うとよいです。
そして、もう一つ。
バーの握り方です。手幅はそこまで広くとらずに肩幅程度。広げた内点の中に手幅が入るイメージです。通常のサムアラウンドグリップ、サムレスグリップではなく、握る手を逆にするオルタネイトグリップにすることで握力を維持させやすいです。
ものすごい高重量を挙げるとき。どうしても指が開いてしまう場合はパワーストラップやパワーグローブを装着してトレーニングに挑むことをおすすめします。
2.トップポジション
では、バーベルを挙上します。挙上はそこまで難しくはないと思いますが、いくつかポイントがありますので紹介します。ここで普通に立ち上がってしまいますと足にエネルギーが分散する可能性がありますから立ち上がるときはできるだけ比重は腰です。
そして、デッドリフトならば一番気を付けないといけないのが、背筋はまっすぐ、丸まらないように意識します。これは腹圧を使ってパワーベルトをつけることで比較的軸はまっすぐに整いやすくなります。
あとは、アームカールや、ダンベルカールと一緒で、お尻をしっかりと固定して背筋がてこのように起き上がることをイメージして立ち上がります。立ち上がるのでどうしてもお尻は動くのですが、普通に立ってしまいますと、腰への負荷が少なくなり足への負荷が大きくなります。
これを避けるためにも初動でお尻を固定して、背筋の起立を使ってバーベルを持ち上げます。ここで少し上がった感覚をみて足と連動させるイメージですかね。やっていくとなんとなくコツがつかめてくると思いますが、デッドリフトなのであくまでもメインは腰です。
フィニッシュはしっかりと背筋を反らします。このときに、下腹部をしっかりと前に出し天井に向けるようにすること。これをすることでマックスまで脊柱起立筋が絞れてくれるのでトレーニング効果が上がります。
3.ボトムポジション
ボトムポジションは一連の流れの最後です。デッドリフトの場合はバーベルを床におろすシーンになります。ここでも背筋を曲げずしっかりと反らした状態をキープしつつ、完全に力を抜き切りバーを落とすのではなく、あくまでも力は維持しつつ、バーを置くイメージです。
スモウデッドリフトの回数と重量選定

スモウデッドリフトに限らず、筋肉の増強を目指すなら、8割の力を10回行うのがベストといわれていますね。疲労度に合わせて重量を落とし3セット程度行う。5セットでもよいのですが、たくさんのセット数を重ねる場合は種目を変えてみるとかですね。
1、2セットはスモウデッドリフトをやって、3セット目はダンベルデッドリフト、4セット目はバックエクステンションとかこのように工夫することで色々な刺激をかけられます。メインの高重量を何にするか?
収縮、伸展を効かせるトレーニングは何にするか?筋トレのセットをうまく組み合わせることによりトレーニング効果を上げることができるのです。ただ、唯一注意してほしいのは無理して負荷の大きすぎる重量を選定することです。
これを行ってしまいますと、怪我をするリスクが非常に高いので絶対にやめましょう。また、怪我のリスクを抑えるためにもまずは、入念な準備運動、軽い重量から背中を温めて、から大きな重量を持ち上げましょう。これだけでも随分とそのリスクを抑えることができます。