本日はプリモボランというアナボリックステロイドの効果や副作用についてお話ししたいと思います。
プリモボランとはメテノロンという自然界に存在する長期間使用できるアナボリックステロイドを使用して作られた錠剤です。例えば、自然界であれば妊娠したイネコの腎臓にプリモボランが大量分泌されるといわれています。
ですので、オキシメトロンやダイアナボルと異なる点は、テストステロンだけではなくエストロゲンの増加も行うところにあります。医薬品としては、カルボン酸エステルの状態にした水酸基を錠剤にしたものを販売しております。
そして、元々は自然界に存在する成分ですから、ほかのアナボリックステロイドと比較しても副作用が少ないのです。多くのアナボリックステロイドで起こしがちな、女性化、肝臓障害、脱毛、ニキビなどが生じにくいといわれています。
さて、アナボリックステロイドを使う理由はやはり、効果的に筋肉の増強を狙う。もしくは、筋肉を落とさずに脂肪を落とすなどダイエットに活用。プリモボランはどんな特徴が強いのか解説してみたいと思います。
プリモボランは筋肉増強効果が薄いステロイド?

残念ながらプリモボランは自然界に存在するステロイドということもあり筋肉増強の効果は他のステロイドと比べてはるかに薄いです。もし、筋肉増強を目的としているなら、副作用は強いけど、オキシメトロンやダイアナボルなどのステロイドのほうが向いています。では、プリモボランとはどんなステロイドなのでしょうか?
生長ラットの成長、体組成および骨格筋蛋白合成に及ぼすアナボリックステロイド、メトレノンエナントテートの影響
離乳から成熟までの期間に、ラットにおいて、全身の窒素、カリウム、リンおよび体重、筋肉タンパク質合成および食物変換効率に及ぼすプリモボラン(メトレノンエナントテート;毎週10mg kg-1回)の効果を測定した(22〜64日齢)。処置した雄ラットは、対照と比較して、体重増加率が低く、腎重量が増加し、精巣重量が減少していた。総窒素、カリウム又はリンには差異は観察されなかった。処理された雌ラットは、体重のパーセンテージとして表される場合、対照においてリン含有量が高かったが、体重、全体窒素、リン、およびカリウムが女性対照と比較して有意に増加した。処置された雌ラットは、全体重増加または全身窒素増加と比較して発現される食物変換効率を増加させた。研究の結論で測定した混合骨格筋タンパク質の合成速度は、処置された雌が、雌の対照と比較して有意に増加した合成速度を有することを示した。処置した雄ラットと対照動物との間に有意差はなかった。
出典元 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0271531705800636
ラットにプリモボランを投与した実験
上記は、海外の文献をGoogleの翻訳機能で直訳したものなのでわかりにくいかと思いますが、要するに、人間ではなくマウスにプリモボランの主成分であるメトレノンエナントテートを10mg=1kgとして毎週1回ずつ投与した実験です。
投与したオス、メスのラット、投与していないオス、メスのラットを比較しました。毎週1回とはいえ、1kg=10mgというのはかなりの量です。たとえば、体重が60kgであれば600mgのプリモボランということになりますね。
実験の結果はどうだったのか?
まず、オスのマウスの場合プリモボランを投与されているマウス、投与されていないマウスの差は見られませんでした。つまり、オスに対しては筋肥大の効果は大きくはないということがわかりました。
一方で、メスの場合は投与していないマウスと比較しても筋肥大の効果がみられているのでメスには効果的といえます。恐らくではありますが、オスの場合はテストステロンが一定値ありますからそれ以上増やすことはできない。
一方、メスはオスよりもテストステロンが少ないためプリモボランが影響してテストステロンを増やす。これにより、筋肉量が増えるのではないか?と個人的に推測しました。ただ、あくまでもこれはマウスの実験です。人間がやるとどうなのか?というのはわからないので副作用など安全の保障はできません。
アナボリックアンドロゲンステロイドの相対的結合親和性:骨格筋および前立腺におけるアンドロゲン受容体への結合ならびに性ホルモン結合グロブリンとの比較。
アナボリックステロイドがこの組織のアンドロゲン受容体(AR)を介して骨格筋に作用するか、または別個の同化受容体が存在するかどうかは不明である。ラットおよびウサギの骨格筋における[3 H]メチルトリエノロン(MT;17β-ヒドロキシ-17α-メチル-4,9,11-エストラトリエン-3-オン)のARへの結合の競合物質としていくつかの同化ステロイドを試験したときラットの前立腺では、MT自体が最も効率的な競合相手でした。 1αメチル-5α-ジヒドロテストステロン(1α-メチル-DHT;メステロロン)は、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)[DHTの約4倍の相対結合親和性(RBA)]に最も強く結合した。メタボロン(17ベータ – ヒドロキシ-1-メチル-5アルファ – メトレロン)よりも大きいMT:MTのMTと比較して、骨格筋および前立腺におけるARに強く結合したいくつかの同化アンドロゲンステロイドは、アンドロスタ-1-エン-3-オン)が1アルファ – メチル-DHTを超えるテストステロン(T)より大きい]。 (17α-メチル-5α-アンドロスタノ[3,2-c]ピラゾール-17β-オール)、メタンジエノン(17β-ヒドロキシ-17 α-メチル-1,4-アンドロスタジアン-3-オン)、およびフルオキシメステロロン(9α-フルオロ-11β-ヒドロキシ-17α-メチル-T)が挙げられる。他の化合物は、測定するには低すぎるRBAを有していた(例えば、オキシメトロン(17β-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチレン-17α-メチル-5α-アンドロスタン-3-オン)およびエチルエストレノール(17α-エチル-4-エストレン-17β筋肉におけるDHTの低RBAは、以前に報告された代謝物へのその3-ケト機能の急速な減少によるものであろう。これは、アルファ – アンドロスタン-3α、17β-ジオールおよびその3β-異性体(それぞれ3α-および3β-アジオール)に結合しなかった);いくつかの同化アンドロゲンステロイド(わずかな合成)は、スタノゾロールより大きなメタンジエノンより大きいメトレノンより大きい3α-アジオール=17α-メチル-Tより大きい3β-アジオールより大きいTよりも大きいDHTよりも大きいSHBG(1α-メチル-DHT)に結合した。ラット筋肉におけるRBAの、前立腺におけるもの(化合物の筋萎縮能の推定値)は、1に近いたいていの場合、約0.4と1.7の間にしかありません(400ワードで抽象的なトランジション)
脂肪燃焼効果はある?
上記も海外の文献ですが、オキシメトロンなど様々なアナボリックステロイドを用いて性ホルモンの結合を確認する実験です。これも人体実験ではなく、ラット、ウサギなどの動物実験になりますので正確なデータがみれないところが残念ではありますが、
プリモボランの主成分であるメテノロンは脂肪燃焼に関係しているβ3-アドレナリン受容体(β3-AR)の結合が強いことがわかりました。β3-アドレナリン受容体は脂肪を遊離脂肪酸、エネルギー変換する能力を持っています。これと結合しやすいということは脂肪燃焼効果が高いと考えられます。
プリモボランにも副作用はある?

確かに、自然界に在る成分ですが、副作用がないわけではありあません。当然、科学的に合成されたステロイドと比較すれば副作用も弱くはなりますが、それでも気を付けなくてはいけないところがあります。
ホルモンの生成が減る
すべてのアナボリックステロイドに言えることです。そもそも、アナボリックステロイドは、反自然の力を利用して意図的にホルモンの分泌量を高めるというモノですから、たくさんのホルモンが分泌されると脳はこれ以上は必要ないと判断。
または、たくさん出過ぎると逆にそれを抑えようと働いたりもします。事実、男性がプリモボランを投与した実験によれば、性ホルモンの分泌率が15~60%も減少したといいます。
プリモボランの効果的な飲み方

安全性、効果的を考慮すると、プリモボランは7日間で400mgを8~12週間かけて投与し続けます。錠剤の場合は1日50mg、注射の場合は一週間に400mg。注意点としては長期的に投与できるアナボリックステロイドとはいえサプリメントのように半永久的に飲み続けるというのはNGです。長くても12週間まで。それ以上は推奨できません。
最後に、プリモボランというアナボリックステロイドは男性が筋肥大を目的として投与するのには向いていません。それよりもダイエット目的です。逆に女性で筋肉を増やしたいという人には良いかもしれませんね。
ちなみに、今回お伝えした内容は、マウスの実験であり、人間の実験でもありません。それに、飲んだからと言って必ずしも副作用がないとは保証もできません。もし、プリモボランの投与を考えているなら一度医師や専門家の相談を仰ぐことをおすすめします。今回の摂取量はあくまでも目安です。それによりはっきりとした摂取量をアドバイスいただけるかと思います。