ジャッキーチェン
私が小さいころに親がVHSを借りてきてよく見ていました。
小学低学年ぐらいのころはまだDVDというものがなかったものでね。
ジャッキーチェンはブルースリーと違うところはコミカルな演技が特徴的で、カンフーを面白かしく表現しています。
ブルースリーも、ジャッキーチェンも体つきをみると本当に素晴らしい。
バキバキに割れた腹筋、体中のカット、そして、素早く動き相手を倒す。
これをみたら、「修行すれば強くなるんだな。」なんて思ってしまいますね。
私が、武術を始めたのもブルースリーやジャッキーチェンのカンフー映画は多少なりとも影響しています。
さて、そんなわけで、本日はジャッキーチェンといえば酔拳。
ジャッキーチェンのトレーニングについて勝手に解説します。
1.酔拳で登場した腹筋

足首を縛って体を吊るします。バケツをもって腹筋を行います。このトレーニングは見た通りなかなかできるものではありません。このように体重の大半を腹直筋に乗せると負荷も大きくなります。プラスアルファでバケツも使っていますからね。
もし、自宅やスポーツジムでこれと似たような環境を作りたいなら、バケツはプレートに、この足を縛る個所は懸垂バーにすればよいかと思います。これができるようになれば、あなたの腹筋もまずまず強いと思ってもよいでしょう。
2.馬歩

ジャッキーチェンでこのシーンは見たことがある人も多いのではないでしょうか?頭、肩、膝の5点に熱湯を注いだ湯呑を置くことで姿勢を崩したらお湯が垂れる。お尻の下には棒が。。。老師がオーケーするまで腰を落としても姿勢を崩してもいけないのです。
私もここまでではありませんが、中国武術の基本功である馬歩(マープー)はよくやらされたものです。
下半身を鍛えるならスクワットでいいのでは?
と、考える人もいますが、あえて動かないことでスクワットとはまた別の筋肉が鍛えられるのです。特に中国武術は拳を打ち込んだ時の姿勢が重要。もちろん、戦闘の中では思ったように行くことのほうが少なく、形は崩れるのは想定内ではありますがここを意識すると強い力が出せるのです。
体全体の軸を一本の線で結ぶイメージです。もちろん、技を出すときには呼吸法やどのようにして背中、腹筋、下半身を使うかが重要になります。脱力もそうですが、この辺は説明すると長くなりますので割愛します。
要するに、中国武術の基本功であるように、戦闘における身体能力を高める上では、站椿功と呼ばれる基本トレーニングは重要なのです。普段、バーベルスクワットしかやっていない人は一度やってみてください。多分5分と持たずにつぶれると思います。なぜなら使っている筋肉が違いますからね~。
3.人柱

多分、これは蛇拳に登場したトレーニングだと思いますが、突っ張り棒のようなものに頭と足を引っかけて一本の軸を作ります。ここに、師匠を乗せて、体を上下させる。乗る人の体重にもよりますが基本的に辛いと思います。
鍛えられる個所は、背中の筋肉をメインとして全体を強化出来ると考えられます。
スポーツジムでもやろうと思えばできます。フラットベンチを二台使って、プレートをお腹の上において行ってみるとよいでしょう。ただ、人を乗せるのと、プレートを載せるのとではウエイトのかかり方が異なるのは明白。人を乗せたほうが断然やりにくいです。
4.くるみ割り

ジャッキーチェンの天中拳という映画のワンシーンにクルミを割るトレーニングがありました。しかも、クルミを割るのは、親指と人差し指の二本指でつねるように割る。ジャッキーチェンがペンチのような指をしているのか?
というと、そうではなく、くるみに割りやすいような細工を行っているのだと思いますが、そのつねる力があれば、肩甲骨の下にある急所に指を刺して敵を倒すような拳法だったと思いますが、現実的な話をするとわざわざ肩甲骨の下に刺すよりも正面から戦うなら喉元や目に打ち込んだほうが簡単に倒せると思います。
けれども、あれは見たことがある人なら一度はやってみたいのではないでしょうか?握力の中でもつまむ力。ピンチを鍛えて尚且つクルミを割る練習を繰り返していればできないことはないと思います。
5.指立て伏せ

手を乗せるところは柱の上。そして、その範囲内に指を立てる。下には線香がたっぷり設置してあります。潰れてしまったら火傷する…そんな地獄のようなトレーニングです。中国武術は指を鍛えることが多いです。
なぜなら、指を鍛えておけば喉元などの急所や筋肉の割れ目などに突き刺すことができるからです。ここで負けてしまって指が曲がってしまったら不都合なのである程度固いところでも打ち込めるように鍛えておくとやりやすいです。
ジャッキーチェンのトレーニングについてまとめ

いかがでしたか?
今回はジャッキー・チェンのトレーニングについて解説させていただきました。他にもたくさんのトレーニングを行っていますが、印象的なものをいくつか抜粋して解説させていただきました。
以上は、映画で見せているトレーニングであり、多分普段から行っているわけではない。このようなアクションをこなすには若いころは厳しいトレーニングを行っていたはずです。
では、このトレーニングが現実的なのか?
ベストボディということでは、あまり現実的な方法ではないかもしれません。魅せる体を作るならウエイトトレーニングなど現代科学に基づいた機械的なトレーニングを実践することで効果は得られるはずでしょう。
では、ジャッキーチェンのトレーニングは現実的に考えるとやめておいたほうがいいのか?というと、そんなこともありません。たとえば、馬歩は内部の筋肉を鍛えるトレーニングなので普段スクワットのように動くトレーニングしかしていないトレーニーにとってはいい運動になると思います。
いずれにしろ、受けていない刺激をもらうということは、それだけ筋肉の成長をすすめるということにもなりますから、特定のトレーニングにこだわるだけではなく、目的用途に合わせていろいろなトレーニングを実践してみてください。