HMBサプリメントとは何か?効果なしと言われる理由について。

最近、世間を騒がせている話題のサプリメント。それが、「HMB」というもの。数年前からインターネット広告でもかなり増えてきたかなと思うのですが、広告コピーに「筋肉増強サプリ!」

「ジムに行く必要がない!」「飲むだけでこのカラダ!」というようなコピーも見受けられましたが、これを期待してしまいますと「HMB」を飲んでもおそらくほとんど効果を実感することはできないでしょう。

そもそも、飲むだけで筋肉がつくというのは「アナボリックステロイド」など筋肉増強剤です。ボディビルダーや格闘家がたまーにドーピングとして使って、それが発覚し問題になるニュースもあります。

飲むことで、高血圧、コレステロール値の上昇。おそらく発がん性もあるのではないだろうか?という指摘も。。。結果的に、体をぼろぼろにしてしまい車椅子生活を余儀なくされるという強い副作用があるアナボリックステロイド。

正直、HMBとはこういうモノとは全く違います。そこで、ここでは、「HMBって何なんだ?」「筋肉増強剤なの?」などどういうものなのか知らないという人のためにHMBサプリメントに関するお話をしたいと思います。

そもそも、HMBサプリメントって何なんでしょうか?

最近、日本で話題になっているHMBサプリメント。「筋肉がつくぞ!」「もうプロテインの時代は終わった!」「トレーニングは必要なくなった!」など、めちゃくちゃ大げさなことが書かれてありますが、さすがにこれはないです。

米国では10年以上も前からHMBはトレーニーの間では飲まれているものです。ただ、重宝されているとか、必ずしも飲まなくてはいけないものなのか?というとそういうわけでもありません。

1.正体はロイシン

β-hydroxy-β-methylbuteric Acid。βを外し、頭文字をとってHMBと省略されているのです。日本語では、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸となります。人間の体内で合成することができない。つまり、経口摂取以外は摂取できないアミノ酸。

それが、必須アミノ酸と呼ばれるものです。その中でロイシンというアミノ酸があります。カツオ、鶏むね肉、卵に豊富に含まれているアミノ酸です。トレーニーが良く飲んでいるBCAAというサプリメントがあります。

これは、Branched Chain Amino Acids=分岐鎖アミノ酸といいまして、バリン、ロイシン、イソロイシンが含まれています。ここにもロイシンが入っているわけですが、ロイシンは筋肉繊維を維持したり、筋肉の分解を抑えるなどトレーニングを行った後にはぜひ飲みたいアミノ酸です。

2.ロイシンが体内合成される

経口摂取したロイシンが体の中で合成されると先ほどの、β-hydroxy-β-methylbuteric Acid。すなわち、「HMB」となります。この状態はほかのアミノ酸と比較しても筋肉の分解を抑える上で一番強い力を発揮します。

筋トレ前や筋トレ後にアミノ酸を摂取するのはなぜか?筋繊維の分解や破壊からの修復を行うためです。ただ、プロテインの場合はまずアミノ酸へ消化分解する必要がある。そこから、多種のアミノ酸に分けて、ロイシンやグルタミンなど筋肉に関与するアミノ酸が損傷した細胞に使われたり、分解を抑えたりします。

しかし、ダイレクトに初めから筋肉分解、筋肉成長に効果の高い「HMB」を摂取することができるのであれば効率的に筋肉の分解を抑えられたり、筋肉の修復を行うことができるメリットがあります。

3.ロイシンからではだめなのか?

これまでの説明からも「HMB」は、筋トレにおいて重要なアミノ酸であることはご理解いただけたかと思います。しかし、プロテイン→ロイシン→HMBというように、ロイシン→HMBというように消化分解の工程が発生するので時間がかかるのです。

であれば、トレーニングを行ったあとにすぐに破壊された筋肉へ分解を抑えるために供給、筋トレ中の筋肉分解を抑えるためにその前に飲んでおく。これができるのです。プロテインの場合は胃に入った状態でトレーニングを行うと、

せっかく胃に集中している血液を体中に分散することになりますので消化不良、酸欠によりトレーニング中に具合が悪くなるといった症状を訴えるのです。しかし、すぐに吸収されるHMBであれば飲んで30分もすればトレーニングができます。

このように、消化吸収といったスピードを考えたときに「筋肉の成長」という目的であれば、確かにプロテインよりもBCAAよりもはるかに効率的です。

4.肝臓への負担を軽減

食品を経口摂取すると胃の中で消化分解が行われます。それが肝臓で処理されて適切なアミノ酸として各部位へ運搬されることになるのですが、タンパク質→ロイシン→HMBという過程をカットして初めからHMBを摂取すれば肝臓での合成の作業が必要なくなります。

そのため、肝臓への負担がかかりにくいというプラス効果は高いです。ちなみに、HMBを1g作り出すのにロイシンは20g必要になります。そのため、ロイシンを100g摂取したとすれば5gのHMBを産生することができるということになります。

以上のことから、HMBを摂取するメリットはトレーニング中に起こり得る筋肉の分解、トレーニング中、後、空腹時に分泌されるコルチゾール。このストレスホルモンは筋肉を分解するわけですがそれを阻止するうえでとても大事な栄養素ということになります。

HMBは完全無欠で究極なサプリメントなのか?

1.飲むだけでは筋肉はつかない

冒頭でもお話ししたように、「HMB」は飲むだけで筋肉がムキムキになるのか?というとそういうことはありません。飲むだけで筋肉が増強されるのは、「アナボリックステロイド」など筋肉増強剤の類です。では、アナボリックステロイドを摂取したほうが良いのではないか?

確かに、アナボリックステロイドを摂取したほうが楽して筋肥大はできるでしょう。その反面、体を破壊するという副作用の可能性は否めません。もし、HMBに対して「飲むだけで筋肉がつく。」と考えているなら効果はないでしょう。

ですので、HMBを摂取するならば、しっかりとしたトレーニングをしているということ前提になります。筋肉の分解、損傷からの回復、こういったときにとても役立つアミノ酸ではあります。

2.プロテインは必要ない?

例えば、ロイシンは1日当たり60g必要だとされているので、そのためにはプロテイン20杯飲む必要があると考えられます。確かにロイシンを摂取するという意味であればそれは正しいのですが、アミノ酸バランスを考えるとロイシンだけとってもどうなのか?

もちろん、「筋肉を作る」ということだとしても血液や神経も重要になってくるわけです。バリンだったりイソロイシンだったり別なアミノ酸が間接的に筋肉を作り出すとも考えられます。そういう意味ではアミノ酸バランスを考えたときにHMBよりBCAAのほうがよいと思われます。

それこそ、私たちのカラダはすべてアミノ酸でできているといっても過言ではありません。筋肉、内臓、神経、血液、器官、骨、髪の毛、皮膚、爪、すべてがアミノ酸でできているのです。もちろん、ロイシンだけではすべてを賄いきれないのでバランスよくプロテインを食事に取り入れることはおすすめします。

HMBについてまとめ

いかがでしたか?今回はHMBはどういうモノなのか?これについてお話ししました。筋肉を維持するうえで需要なアミノ酸であるロイシンが合成されたものがHMBになりますので、HMBを飲めば完璧だ。

というのは違います。HMBも重要なアミノ酸ですし、そのほかにも重要なアミノ酸はあります。しかし、筋肉の分解を抑えるためにはとても有効なサプリメントですから普段から筋トレをされている人ならぜひ取り入れてみてもよいのではないかと思います。

特に、筋トレ後にプロテインを飲むのが面倒くさいとか、わざわざプロテインをジムにもっていくのが嫌だ。筋トレ後にシェイクするのが面倒だ。というのであれば、錠剤を飲んで簡単に筋肉の分解を抑えられる。HMBなんかはとてもおすすめです。

それに、ロイシンの筋肉合成ということでは、プロテイン単体よりも効果は大きいですからね。HMBのサプリメントもレビューしていますのでもしよかったら参考までにどうぞ。

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