本日はクレンブテロールという脂肪燃焼効果の高いステロイドのお話をしたいと思います。
パワーアップのために筋肉量を増やすことは得意。しかし、減量が苦手な人もいらっしゃると思います。減量をやってみるとわかりますが、筋肉量を維持しつつ脂肪を落とすのって意外と難しいところがあります。
確かに、糖質の摂取量を過剰に抑えるとか、摂取カロリーよりも消費カロリーの量を大幅に増やすことにより体脂肪率はみるみると落ちていくのが体感できると思いますが、よく見るとしっかりと筋肉量も落ちてはいませんか?
これではあまり意味がないので、あえてカロリー摂取をしながら徐々に脂肪を落としていくというテクニックが必要となります。しかし、そのためには脂肪の代謝量も高める必要性もあります。
そこで、あえて代謝の上がりやすいサプリメントを摂取したり、いろいろと努力をしていく必要性があるのですよ。そんな中、ボディビルダーが減量時に使用している脂肪燃焼系のステロイド「クレンブテロール」を使用しているのです。
クレンブテロールとは一体何か?

もともと、クレンブテロールとは喘息の患者に処方される薬でした。クレンブテロールが何故、喘息に効果的なのかというと、アドレナリンβ2受容体に作用することで平滑筋の緩和、気管支を拡張させます。
これにより喘息の症状が和らぐのです。しかし、このクレンブテロールはボディビルダーが減量時にも使用したりします。なぜかというと脂肪燃焼効果を高めることができるからなのです。
喘息薬と同時にダイエット効果も期待できる秘密

クレンブテロールは以上の仕組みからも喘息にとても効果的であるということがわかりました。その一方で、脂肪燃焼効果を高めダイエットにも効果的であるということはご存知でしょうか?
喘息を緩和する仕組みとほとんど同じです。クレンブテロールを投与するとアドレナリンβ2受容体に作用することで平滑筋の緩和、気管支拡張以外にも、脂肪燃焼効果を高めることができるところにあります。
例えば、カフェインが脂肪燃焼に効果的であるといういのもこれが理由です。アドレナリンβ2受容体を活性化させるため脂肪燃焼効果を高めることができるのです。このことからも普通に運動を行うよりもはるかに脂肪燃焼効率を高めることができるから減量と組み合わせることでその効果を高めることができるのです。
例えば、先ほど減量中に筋肉を分解させないために栄養摂取が必要だとお話ししましたが、脂肪燃焼効率を上げておけば、普通に栄養摂取をしてもクレンブテロールの力を使えば脂肪も落としやすくなるといえるのです。
臨床実験からクレンブテロールの効果が明確化された事実。

アドレナリンβ受容体に刺激するため、ぜんそく薬と同じ理屈で脂肪燃焼に効果的であるという風に解説いたしましたが、実際のデータはどうなのか?ここが気になるところかと思いますのでそれについて書いてみました。
1.クレンブテロールの実験
強い同化作用を有するベータ(2) – アゴニストであるClenbuterolは、健常者の骨格筋機能を改善することが示されており、高用量では左心室補助装置を有する患者の心臓回復を促進する。小規模な無作為化対照試験で、我々は、慢性心不全患者の骨格筋機能、心機能、および運動能力に対するクレンブテロールの効果を調べた。クレンブテロールは耐容性が良好であり、除脂肪量と除脂肪/脂肪比の両方が有意に増加した。最大強度は、クレンブテロール(27%)とプラセボ(14%)の両方で有意に増加した。しかし、クレンブテロール後に耐久性および運動時間が減少した。パフォーマンスを最大化するために運動訓練とクレンブテロールを組み合わせた以前のデータのサポート、および進行中の研究でこのアプローチを評価します。
2.つまりはどういうこと?
要するに、「クレンブテロールは、痩せた筋肉量を増加させるが、慢性心不全患者の持久力は増加させない。」ことになります。クレンブテロール使用したグループは27%も筋肉量は増加。それに対して、プラセボは14%の増加。筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げることができる。そのため、減量中の脂肪燃焼のサポートとしてはやはり有効なステロイドといえますね。
3.筋肉量を維持する
冒頭でもお伝えしたように、筋肉量を落とさずに減量を行うのは少しテクニックがいるといいました。やはり、クレンブテロールはそのサポートとしてはかなり効果的なステロイドと思われます。例えばこの実験。
除神経筋萎縮におけるクレンブテロールの無作為化、二重盲検およびプラセボ対照試験。
クレンブテロールなどのβ(2) – アドレナリン作動性アゴニストは、健康な骨格筋の肥大を促進し、動物およびヒトの両方でいくつかの病理学的状態で筋萎縮を改善することが示されている。我々は、除神経による筋萎縮の減弱に対するクレンブテロールの臨床効果を調べることを意図した。メソッド。二重盲検、プラセボ対照、並行および無作為試験が採用された。上腕神経叢傷害を患っている71人の患者に、クレンブテロール(60μg、bid)またはプラセボを3ヶ月間投与した。研究の前と最後に、身体検査、上腕二頭筋の生検、筋電図(EMG)、および他の検査室検査を受けた。結果。プラセボ治療と比較して、クレンブテロールは、I型およびII型筋繊維の断面積の減少を有意に緩和し、いかなる有害作用もせずに細動電位振幅の減少を軽減した。結論。 Clenbuterolは、安全にこのコホートにおける失明した筋萎縮を改善した;このように、または大脳皮質に誘発された筋萎縮に対する他のβ(2)アゴニストについて、より大きな臨床研究が推奨される。
上腕神経叢傷害の患者71名を二つのグループに別け、一方はクレンブテロール、もう一方はプラセボ。これを3か月間投与し続けた結果、クレンブテロールを投与し続けた患者は筋肉をしっかりと維持することができたのに対し、プラセボは66%も筋肉が減少したといいます。
要するに、筋委縮障害のように筋肉が崩れやすい環境下にいる人でも維持することができたため、減量中で筋肉にとって過酷な環境下にいる状態でも筋肉をある程度は維持することができるだろうという見解です。そのため、筋トレ+減量には効果的と考えられるのです。
クレンブテロールにはどんな副作用があるのか?

1.眠れなくなる
わかりやすい例は、カフェインを飲むと眠れなくなるのと一緒です。クレンブテロールの作用はカフェインと非常にそっくりです。摂取することでアドレナリンβ2受容体に作用します。アドレナリンが大量に分泌されるわけですから夜眠る前なんて飲んだら眠れなくなるでしょうね。
2.筋肉がプルプル…
筋肉がプルプルと痙攣してしまいます。例えば、ナトリウムやカリウムが不足しているとこむら返りを起こしたり、運動中に筋肉が攣る。肉離れを起こすなどの原因といわれていますが、クレンブテロールはタウリンを消費させ電解質のバランスを崩すためこれが酷くなります。ですので、クレンブテロールを使用する場合は、タウリン、カリウム、ナトリウムもしっかりと摂る必要があります。
3.心臓が大きくなる
クレンブテロールを長期間投与し続けると心臓の筋肉が肥大するといわれています。もともと、気管支、血管を拡張させる効果があるため、それを助長する有酸素運動などをおこなっているとそれが強く現れます。よって、常用するのではなく短期的に摂取することをおすすめします。
クレンブテロールの効果的な飲み方について

先ほどの臨床実験では1日当たり60μgを摂取です。しかし、私たちが減量を行うとか、筋トレのために行うのであればそこまでたくさん摂取する必要もありません。毎日40mcg摂取するだけで充分です。
ただ、クレンブテロールは先ほどのように副作用が比較的強いので、長期間続けることは推奨できず、2週間投与、2週間の休憩というサイクルを行うことが一般的です。最高でそれを8週間続けます。それ以降はおすすめできません。
なんだかんだいっても、ステロイドであることには変わりはありませんので、常に飲み続けるものではありません。リスクをかけずにダイエットを行いたいなら糖質を摂りつつ、うまく減量を行うこれに限りますね。