肩や背中を鍛えこむ時におすすめするのはやはり懸垂です。続けていればある程度握力も鍛えることはできますが、メインは僧帽筋、広背筋など肩、背中周りの筋肉になります。
実際、ウエイトトレーニングをこなしているようなトレーニーでも懸垂は取り入れていたりします。ラットプルダウンの後の追い込みとしてもおすすめですし、脚にプレートを付けて懸垂を行うのでも効果的です。
私も学生時代はよく懸垂はやっていました。柔道部といういこともあって、肩、背中が強いほうが色々と好都合なものでね。
基本的に、順手、逆手のいずれでも20回ぐらいはやらされていましたが、ウエイトトレーニングを無しとすれば、肩、背中を鍛える上でこれ以上おすすめするトレーニングは他にはないでしょうね。
上半身を鍛える自重トレーニングといえば、腕立て伏せぐらいなものですからね。しかし、懸垂をやろうにもなかなかできないという人も多いです。バーを握っても握力が持たないとか、満足に体を引き上げられないなど…
このように初心者トレーニーが懸垂が満足にできるようになるためにはどのようなトレーニング、対処を行えばよいのか考えてみました。
何故、懸垂ができないのか?いくつか理由を考えてみた。

1.握力不足
懸垂を行っている間はバーを握り続けておかなければいけません。自分の体重を差さえ続けるだけの握力(ホールドするだけのスタミナ)がない場合は残念ながら懸垂を行うことができないです。
2.重量オーバー
体重が重たすぎると平均握力があっても支えきれないということになります。多少支えることができても重たすぎることが原因で体をひきつけることができません。筋トレは一定以上の回数を重ねないと効果が得られにくいです。
もちろん、マックスに挑戦するとか、神経のリミッターを外すために、2~3回がやっとというぐらい高重量でトレーニングを行うことはありますけれども、基本は10回とか。ましてや自重トレーニングですから、15回以上は目指したいところです。
それらを考えても体重が重たすぎると効率的に懸垂を行うことはできません。よって、懸垂をトレーニングとして導入するなら、懸垂を行うのにふさわしい体を作り上げる必要があります。よって、ダイエットはしましょう。
3.体幹の力が弱い
懸垂で身体を引き上げるには、腕の力ではなく、僧帽筋、大円筋、広背筋の力を使います。ですので、これらの筋肉をある程度鍛えられていないと自分の体を持ち上げることはできないかもしれません。
恐らく、懸垂を行う前の自重トレーニングといえば、腕立て伏せ、腹筋、スクワットなどがメインだったと思います。これらだけですと、なかなか懸垂で使う筋肉はダイレクトに鍛えられません。
日常生活でなかなか懸垂で使うような筋肉を鍛える習慣もないでしょう。そこで、懸垂で使う筋肉を何かしらの手段で鍛える必要があります。
4.コツを知らない
バーをしっかりとホールドし続けることができればテクニックで何とかなる要素もあります。たとえば、懸垂を行っているときに腕で体を引きつけるようなフォームで行ってしまいますと、かなり厳しいです。
腕で体を引っ張り上げられるのであれば、体幹で引っ張るのは余裕です。それぐらいやりやすさに差が生じます。
ですので、もし、懸垂がうまく行かないというのであれば一度フォームを見直してみるとよいかと思います。
懸垂ができるようになるための対策を考えてみました。

1.サポーターを使用
バーを握るときにどうしても手が開いて指が外れるのであれば、懸垂を行うのに十分な握力がないと考えられます。このような場合はどうやっても懸垂ができないので、リストストラップやパワーグローブを使用して握った指が外れないように意識します。
2.懸垂のフォームを正しく
腕の力を使って懸垂を行うとやりにくいと説明しましたが、重要なのは、僧帽筋、広背筋、大円筋です。これがうまく使えていないと身体が持ち上がりません。やり方としては、背筋を正して背中の力が使えるようにして、肩を落として、肘を直角に下げる、胸を突き上げるようにする。
3.ラットプルダウンで鍛える
ラットプルダウンというフリーウエイトの種目がありますが、これは懸垂と動作がそっくりです。懸垂を行っても思うようにいかないのであればこのトレーニングを行うことで、「懸垂で使う筋肉」「懸垂の正しいフォーム」をマスターすることができます。
懸垂の場合は自分の体重を支えるので、ラットプルダウンでも大体自分の体重と同じぐらいの重量を難なく持ち上げられるようになれれば懸垂ができるようになるはずです。また、ラットプルダウンの良いところは重量を少しずつ足していけるとろです。
そのため、初めは全然思うように重量が挙げられなくても、フリーウエイトの要領で徐々に重量を挙げていけば懸垂ができるようになるわけです。
4.斜め懸垂にチャレンジ
低めの鉄棒やスミスマシンで胸の位置もしくは腰の位置ぐらいにバーを設定します。そこからバーを握ったら、足を少し前に出して体を倒すようにします。この状態から懸垂をするように体を持ち上げていきます。
懸垂が全然できないというときにこれをやるとどのようにして体を使えばよいのか?本当に筋力が足りていないのだな。などできない原因を確かめることもできるのでおすすめです。
5.逆手にチャレンジしてみる
「逆手はズルだ!」という人もいるように、懸垂の逆手は順手よりも難易度は低いです。なぜなら、広背筋、大円筋だけではなく、上腕に負荷を分散させることができるからです。初めのうちは腕の力に頼って行うのは良いです。
慣れてくれば、どのようにして体を引き上げるのか?これを理解できるかと思います。そもそも、逆手ができないようでは、順手を行うのも難しいです。
6.グラビトンから練習してみる
懸垂マシンには膝を置いて重力を軽減させるシステムが搭載されているものもございます。これを使えばダイブ負荷を落とせますから懸垂を覚えるという意味ではおすすめです。ただ、これに頼りすぎてしまいますとなかなか負荷を上げられず、普通の懸垂ができるようになるまでにだいぶ時間がかかるかもしれません。
7.ダイエット
そもそも、太っていたら懸垂なんて絶対に出来るわけがないのです。たとえば、体重が同じ筋肉量なのに脂肪が10kg多い人と少ない人では圧倒的に懸垂を行う上で優越の差が生じてしまいます。
逆に考えれば、10kgの負荷が掛けられるということでは良いのかもしれませんが、効率的に懸垂を行いたいならやはりできるだけ必要のない贅肉は落とすべきです。それだけで懸垂ができる回数は変わってきます。
懸垂ができるようになるための考え方

いかがでしたか?
本日は懸垂ができない人の原因と対策について軽くまとめてみました。結局、懸垂ができない原因は「フォームがおかしい」「体重が重すぎる」「筋力不足」これなのです。まず、練習でグラビトンや斜め懸垂を実践してみます。
その中で、どのようにして筋肉を使えば簡単に体を持ち上げることができるのかわかってきます。
もし、これでも出来ないのであれば「体重オーバー」「筋力不足」が考えられます。そこで、痩せるために食事制限や有酸素運動をやりつつ、ラットプルダウンの挙上量をどんどん上げていく。これを半年間やっていればまず懸垂ができないということは考えられません。