本日は、
ベントオーバーローイング、もしくはベントオーバーロウなどとも呼ばれているトレーニング種目について解説します。
筋力トレーニングにも優先順位というものがあります。
確かに、逞しい腕を作りたいという気持ちも分からなくもありませんし、やはりボディデザインの部分を考えてもか細い腕よりも凛々しい腕のほうが存在感があってとても良いです。しかし、優先順位的には腕は後のほうになります。
何故なら、確かに太い腕を作ることは可能ですが、限界があるからです。元々小さい筋肉を大きくするのはすごい大変なことですが、元々大きな筋肉を大きくすることって非常に簡単ですし、効率的なのでビッグスリーをメインに行う人が多いのです。
それを考えると、集中して鍛えるべきところは、下半身や背中になります。といことで、今回は背中のトレーニングのお話をしたいと思います。
背中を効果的に鍛える種目といえばデッドリフトを連想される人も多いかと思いますが、広背筋の収縮を狙うならデッドリフトよりもベントオーバーローイングがオススメ!そのため、普段デッドリフトで起立の挙動ばかりやっているならこういったまた違う挙動を加えることで刺激も変わり筋肉の成長にはよいです。
これからトレーニングを始める初心者さんも、デッドリフトよりはまず気軽にできるトレーニングをやってみたいならベントオーバーローイングを実践してみるとよいでしょう。
ベントオーバーローイングで鍛えられる筋肉とは?
1.広背筋
広背筋とはいえばラットプルダウンをイメージされる人も多いでしょう。首回りの僧帽筋の下から脊柱起立筋のあたりを繋ぐ比較的大きな筋肉です。腰を前に倒し、立ち上がるこの動作は脊柱起立筋を使います。ただし、下部への負荷は脊柱起立筋、逆に上部への負荷は広背筋というイメージです。
脊柱起立筋の場合は歩行運動などでも多少は鍛えられるので、急激に弱まるというコトはあまり考えられませんが、広背筋の場合は意識的なトレーニングが必要になります。
また、鍛えることで逆三角形の体を作り上げることができますので、ボディデザインの観点から考えてもぜひ取り入れたほうが良いトレーニングともいえるでしょう。フォームやマッスルコントロールに慣れていないとなかなか刺激の掛け方を覚えられないかもしれませんが、これは正しいフォームで練習することで習得できます。
2.僧帽筋
僧帽筋は、首から肩、背中の中央ぐらいまで広がっている筋肉です。肩を上げて首をすぼめたり、元の手前に引きつけるなどかなり実用的な筋肉でもあります。特に、スポーツでは肩、背中の筋肉が強いほうが有利なので鍛えておいて損はないでしょう。
また、デスクワークをされている方にはぜひ鍛えていただきたい筋肉でもあります。
例えば、肩こりです。デスクワークをされている人はよく肩を凝るといいますが、それは前かがみになりすぎていることが原因です。前かがみになると体の1割のウエイトを占める頭を僧帽筋だけで支える必要があります。
となると、弱い僧帽筋で支えればすぐに肩が疲労を起こします。逆に僧帽筋を普段から鍛えこんでおけば、多少前かがみになったところで肩が凝るものではありません。それに、鍛えておけば首のラインが恰好よくなりますからおすすめします。
3.大円筋
大円筋はわきの下の筋肉で鍛えるとカッコイイ逆三角形の体が完成します。これは上腕と肩甲骨を繋ぐ筋肉で広背筋のサポートを行います。ショルダープレスで三角筋ではなく脇に負荷を分散させると大円筋が鍛えられます。これは少し邪道なやり方ではありますが大円筋を鍛えるならおすすめです。
ベントオーバーローイングの効果的なやり方について。
1.スタートポジション
まず、足幅は肩幅程度に開き、デッドリフトのように出尻を作ります。膝を軽くまげてお尻を後方に突き出すようにし、背筋をピンと伸ばすような体勢を作ります。また、腰を落としすぎず、膝から斜め後ろに、30度ぐらいの太ももの傾斜を作るようなポジションを取ります。
腕は下げ、
2.バーの握り方
軽い重要であれば、ベンチプレスの80㎝ラインに小指が来るようなサムアラウンドグリップで握りこみます。逆に、大きな重量の場合はオルタネイトグリップで握りこむか、パワーグローブ、リストストラップを活用しましょう。
個人的な経験上ですと、握力にもよりますが、オルタネイトグリップであればある程度の大きな重量でも持ち上げることはできます。しかし、重量が大きくなれば前腕の力に負荷を分散したり、手荒れを起こす可能性があります。
せっかくであれば負荷の大半をターゲットとなる筋肉に乗せたいです。それに、手荒れを起こしてしまいますと、次回トレーニングを行う際に支障が生じます。そこで、パワーグリップやリストストラップで手首やバーを固定することで無駄な力も使わずスムーズに背中に負荷を与えることができます。
3.挙動
バーを握った腕を直角にし、膝の前あたりに構えます。ここから腕の力を使わず、体幹で引きつけるようなフォームで行います。この際に、腕の力は使わず、腕はあくまでも固定した状態。バーを引きつけたときに広背筋を閉じるように収取させることで広背筋に効かせることができます。
そのためには、膝から太ももの上をスライドさせるような挙動でトレーニングを行います。そして、肘は下あたりの後方を向けるように行います。
逆に、僧帽筋を鍛える場合は、肘を若干背中の上部の後方へ向けるような感じでトレーニングを行います。肘の高さをどこへ持っていくかで、僧帽筋、広背筋が鍛えられるかが変わってくる感じがします。
また、体格によってもどのあたりが効かせやすいのか?というのも変わってくるので自分がどのフォームでどの筋肉を効かせることが出来るのかなども色々と試してみるとよいトレーニングが見つかります。
ベントオーバーローイングにおける注意点色々。
1.重量
大きすぎる重量で行うのは良いのですが、結局、広背筋や僧帽筋が十分に伸展出来なければトレーニング効果が半減します。こういった可動域はやはり重要なところがあります。もちろん、あえて大きな重量で行い、筋力のリミッター解除を狙うのも一つです。
ただ、やはりある程度刺激がないようなトレーニングではそこで大きな効果が出せないです。それならば、もう少し可動域がとれるようなフォームで行うべきです。
また、重量が大きくなるならば、チーティング(反動)なども使用してもよいと思います。足、腕、背中を使ってしっかりとマックスまで収縮される個所までバーを引きつけます。このやり方であれば大きい重量でも効かせることができます。
2.回数
筋肥大を考えるなら回数は、7~10回をじっくりと行います。逆に、パンプを意識するならもう少し軽い重量で20回ぐらいをじっくりと行います。
3.呼吸
息は止めず、持ち上げるときは吐き、降ろすときは吸う。どんなトレーニングでもいえることですが、息継ぎを行うだけで血圧も上がりにくいですし、酸欠になりにくいです。ハードなトレーニングを行いますとなんだか吐き気や頭痛がしたんて経験は有りませんか?
実は、あれが酸欠の症状です。もちろん、酸欠が起こるほどのトレーニングを行ったということではそれだけ追い込めたというコトにもなりますが、呼吸を整えるだけである程度は酸欠を予防することができます。酸欠が起こるということはそれだけスタミナも減少し、パフォーマンスも低下しますので呼吸は整えてトレーニングは行いましょう。
4.動作の意識
ウエイトを持ち上げるときに力を入れますが、この時は素早い動作でもいいです。しかし、逆に戻すときはその3倍の遅さで降ろすことを意識しましょう。筋トレはポジティブよりもネガティブのほうを意識したほうがトレーニング効果を高めることができます。
確かに、一定以上の重量になると辛いのですぐ降ろしたいと思う気持ちはわかりますが、ここで筋肉が収縮が解け、伸展に入っていく過程を体で体感することでやはり効果も違いますし、マッスルコントロールの観点でもポイントになります。