本日はアラニンの摂取方法やトレーニングのパフォーマンスを高める飲み方などについてお話ししたいと思います。
「アラニン」という名前ぐらいは聞いたことはあるのではないでしょうか?私が「アラニン」という言葉を初めて聞いたのは高校の授業でした。そのとき、アミノ酸、必須アミノ酸をすべて覚えさせられましたので記憶に残っていますよ。
確か、テストにも出題されました。ただ、高校生の頃だったので名前だけ知っていたけど当時はどんなものなのか?全く興味がありませんでした。20代半ばから中盤ぐらいからとあるきかっけで、医師、薬剤師、栄養士と知り合いになり、雑学程度ですが栄養学、解剖学を教わりました。
その中で、体作りにおいて「アミノ酸」の知識というのは絶対に持っておいたほうが良いです。筋力アップのアミノ酸でいえば、BCAA、グルタミン、クレアチンなどが上げられますが実はアラニンもトレーニングにおいては重要なアミノ酸です。
アラニンとはどんなアミノ酸なのか?

1.アラニンの概要
アラニンは肝機能の向上を行うアミノ酸ということでは有名です。アルコール分解を促すので二日酔い対策にもなります。しかし、一方で運動のパフォーマンスを高めることができるというトレーニーにはメリットのあるアミノ酸でもあります。
運動能力を高めるサプリメントといえばクレアチンではないでしょうか。筋力を短期間で向上できるためトレーニーにも好まれて飲まれています。しかも、ものすごい安く手に入るのでプロテインと合わせて飲むのは良いでしょう。
このクレアチンに対してアラニンは瞬発力ではなく持久力を向上することができます。なので、フリーウエイトよりも、ランニングなどの有酸素運動からスタミナを消費する競技なんかにはアラニンが有効と考えられます。
牛、豚レバー、シジミ、アサリなどに含まれています。体内合成は可能な非必須アミノ酸でありますから普通にバランスの良い食生活を送っているならそこまで欠乏する可能性は考えにくいです。
2.アラニンは二種類ある?
アラニンは大きく分けると、αアラニン、βアラニンの二種類ございます。通常、アラニンといえばαアラニンのことになります。αアラニンはタンパク質の材料の一種となるので細胞内に存在しています。
それも、筋肉細胞のみならず、皮膚細胞、内臓、など体中の細胞にほとんど点在しています。一方で、βアラニンは基本的に筋肉細胞に多く含まれておりまして、ビタミンB5。すなわち、パントテン酸の材料になったり、そのほかビタミンなど補酵素と結合することで神経伝達物質の役割を果たすなど。
ちなみに、この神経伝達物質というのはグルカゴンというホルモンになります。アラニンは低血糖時にエネルギーを作り出すために使われます。この時にグルカゴンを分泌し、グリコーゲンを作り出すのです。
アラニンからどんな効果が期待できるのだろうか?

これまでのお話からもアラニンは生活習慣の面でもとても役立つアミノ酸である。そして、エネルギーを作り出すアミノ酸でもありますから長時間のトレーニングや競技を行う方にはとてもおすすめです。
1.三大栄養素はすべて燃焼されている
基本的な話になりますが運動をすればするほど筋肉は分解されるものです。それは、有酸素運動、筋力トレーニングのいずれにもいえます。三大栄養素はすべてエネルギーとなります。皮下脂肪は遊離脂肪酸になり血中に流れ込めばエネルギーとして使われます。
摂取した糖質がブドウ糖として血中を流れ込めばそれもエネルギーとして使われます。筋肉も運動を行えば分解されてブドウ糖となりエネルギーとして使われます。このようにバランスよく削られているのです。
都合よく、筋肉だけは削られず、脂肪と糖質だけがなくなるということはありません。ただ、栄養摂取によりその比率を大幅に変えることは可能であるという話しになります。そこで、ハードな有酸素運動を行うならアラニンの出番です。
2.長時間の運動ならアラニンの出番
パワーリフティングなど一瞬の力を必要するような競技ではなく、長距離マラソン、トライアスロン、水泳、ロードバイクなどです。このように長時間エネルギーを燃焼し続けるような種目にはアラニンが効果的です。
なぜならば、常に運動をしている人ならわかると思いますが、集中して運動をしているとお腹は減らないです。もちろん休んだときに空腹を訴えるケースはあるかもしれませんが、僕も学生時代柔道の乱取りを1時間ぐらいぶっ続けでやらされました。
昼が近いのに全然お腹が減らないです。本来であれば空腹を訴えてエネルギーの補給を促しますが、その暇すらないので、脳はエネルギー不足と察知し筋肉の分解を行いアラニンを作り出します。
しかし、あらかじめアラニンを必要量摂取しておけば長時間の運動を行ってもすでにアラニンがそこにあるので筋肉の分解が行われにくくなるのです。ただ、やはりブドウ糖は必要になりますから並行してカーボドリンクやスポーツドリンクで糖質も補給することはおすすめします。
3.二日酔いの対策に
ついついお酒を飲んでしまったというケースはよくあるでしょう。飲むつもりはなかったんだけど友達と一緒に飲んでバカ話をしていたら楽しくなってついつい酒が進んでしまった…ということはありませんか?
そして、翌日、頭が痛くて起きるのも大変。仕事はあるけどできるだけ遅くまで寝ていたい。そんな状況になりがちではありませんか。これはホルムアルデヒドという毒素が溜まっているので解消するにはこれをデトックスする必要があります。
摂取したアルコールの量に対してホルムアルデヒドの分解が追い付かなければ体中にこれが溜まります。しかし、アラニンはこれを分解する作用がありますので、二日酔いで悩まれている人はアラニンの摂取が有効です。
特に、すぐにアルコールが回ってしまうお酒が弱い方はもともとアルコールの分解能力が弱いので、お酒のおともにアラニンを摂取することである程度は解消できるでしょう。
4.肝臓のケア
肝臓といえば体のろ過装置のようなものです。食事、運動など生活習慣により体内でアルコールを発生しますとそれが肝臓に運搬されます。通常であれば、オルニチン回路で無毒化されるのでほとんどが尿として体外へ排出されます。
このオルニチン回路を円滑に働かせるためにはアラニンの存在が必要不可欠になります。ところが、大量のアンモニアを肝臓へ回すとオルニチン回路が正常に働かないため、もともとエネルギーとして使われるはずのBCAAなどのアミノ酸がその処理に使われる。
また、肝臓で処理しきれなくなるとエネルギーの生成よりも老廃物の排出を優先してしまいますので、疲労がたまりやすくなります。ですので、肝臓に負担をかけすぎてちると感じているならば、アラニンとオルニチンの摂取によりケアを行いましょう。
アラニンの効果的な摂取法

1.アラニンを多く含む食品
※食品100gあたりの含有量
ゼラチン 9300 mg
かつおぶし 4300 mg
あまのり 4200 mg
すじこ 2400 mg
こうやどうふ 2400 mg
こむぎたんぱく 2100 mg
こむぎはいが 2100 mg
たらこ 1700 mg
きな粉 1700 mg
だいず 1600 mg
クロマグロ 1400 mg
キハダマグロ 1400 mg
かつお 1400 mg
ハトムギ 1400 mg
クジラ 1400 mg
マアジ 1300 mg
ウルメイワシ 1300 mg
サワラ 1300 mg
シチメンチョウ 1300 mg
ちりめんじゃこ 1300 mg
参考文献 http://foodpocket.jp/eiyou-seibunn/araninn/
上位20位
2.運動のパフォーマンスを上げる
持久力を高めるなど運動のパフォーマンスを向上させるためにはどのように摂取するのが最適か?それは、運動の30分前にアラニンのサプリメントを摂取するのが一番でしょう。アラニンの摂取量が1日どれぐらいが良いのか?
というのは人によって変わってきます。普通に生活をしているぐらいであればサプリメントを活用するほどでもないでしょう。持久力を必要とする運動を行っている場合は運動前にサプリメントを1粒程度摂ることでそのパフォーマンスを高めることができると考えられます。
3.二日酔い対策
二日酔い対策の場合は、牡蠣、シジミ、アサリ、ハマグリなどの貝類をお酒のつまみとして食べるとよいです。なぜ、これらの貝類が良いかというと同時にオルニチンが摂取できるからです。オルニチンとアラニンでオルニチン回路を活性化することが可能です。また、どうしてもこれらが苦手な場合は、アラニン、オルニチン、マルチビタミンのサプリメントを活用するのはおすすめです。